「いいものをつくる、とは何か?」を思索して、リニューアルから4号目となるvol.416の特集は「虚実」。
創刊号では1円定価が話題となり、2号目で
は想定外の転売ヤーの買い占めと予想外の顛末を体験し、それを受けて
3号では「流通」を徹底調査&追跡。そして今号はイメージと実体について考える「虚実」の特集。
何かを買うときに、素材や色、形といったスペックだけでなく、メーカーや時流に合っているか評判は?といったイメージも選んでいます。あるいは、商品の持つイメージによって買いたいという欲望が生まれたり、価値観が作られることもあり、大量生産大量消費の時代は広告やマスメディアがそのイメージを作り出して多くの人が、欲望や価値観を共有していました。
一方現在は、インターネットの個別最適化によって、集団や個人に応じて欲望や価値観が作られるようになってきました。
実体だけでなくイメージを共有することで人は、集団の営みや複雑な社会を作ってきた一方で、この虚構が人々を統制する制度として機能すればするほど強固なものになってゆきます。
あるいは視点を変えて、この虚実ないまぜとなった現実を作っているのは、これまでの自身の体験や感情の蓄積と考えてみたら。同じ物や現象も、人によって異なる物語を持ちうることになります。
嘘と本当、フィクションとリアリティ、イメージと実体、バーチャルとフィジカル、心と体、形而上と形而下……がまじりあった不確かで多様な現実やもののあり方についての様々な視点を投げかける特集。
18 x 27cm 320pages