大正時代、離婚して女優を志すものの、新聞記者となり「化け込み」という潜入ルポで名を馳せた中平文子。その半生は自叙伝
「女のくせに」を参照いただくとして、その後の人生はさらに波乱万丈だった!
再婚した夫と渡欧するが、愛人との性戯に耽溺。四角関係の痴情の果に、顔面を銃撃されるというスキャンダル、モンテカルロ事件について後年自ら赤裸々に綴った衝撃作。
1920年代のパリで「妖婦」と呼ばれた文子の自伝小説。
幻の書とされていた作品を大阪工業大学知的財産学部水野ゼミの学生たちが復刻。国会図書館にも保存されていない稀覯本の保管先を調べる作業からはじめ、複数の書籍をすりあわせて傷んだり欠損した箇所を補いながら完成稿を作成したとのこと。
あとがきでは、水野先生が撃った川村泉の直後の証言などから、事件と当事者のその後を検証しています。
文庫258pages
2025.10.25 初版第一刷