大学に入って間もなく出会った彼に家族のような心地よさを覚え、
自然に結婚に至った二人は、交際当初から約20年間、
「ちんぽが入らない」問題を抱えていたーー。
誰にも相談できず
つながりたいのにつながらないまま
問題から目をそらして日常を送る中、
妻の胸にはどんどん何かが重く沈んでゆく。
やがて、職場で大きなストレスを抱えた彼女は、
家庭でも社会でも自分が機能しない相乗苦から
ネット空間と赤の他人に苦悩と性のはけ口を求め迷走した末
体を壊し、仕事から離脱。
一方、夫も過労で心を壊すが
病を抱えた二人は一層、寄り添う。
誰にも言えない恥ずかしくも深刻な問題に加えて、病気になるほど内向的で生真面目なのに
著者によるチンポが入らない状況の例えや、迷走期に出会った男たちの描写はどこかコミカル。
ストレスの遠因や原因となった人々にも、彼らの心情に思いを巡らせる、
著者のユーモアや優しさ、客観性が、夫のチンポを入れられない女の半生記を
性と愛、ユーモアと共感の物語にしています。
カップルの形や性について…
ときに愚直に、ときに自堕落に向き合った女性が
20年の葛藤を通して到達し境地とは…?
特設サイト
2014年5月に開催された「文学フリマ」で、大反響を呼んだのが主婦こだまの自伝『夫のちんぽが入らない』
を大幅加筆修正した作品。
新書判フランス装104pages