19世紀末〜20世紀初頭のパリに生き、「菫のミューズ」といわれた夭逝の象徴派詩人ルネ・ヴィヴィアン(1877-1909)は
その詩風や同性愛のカミングアウトから「ボードレールの娘」「1900年のサッフォー」とも呼ばれ
死と孤独を冷徹にみつめた蒼ざめた詩を遺しました。
本書は、ルネ・ヴィヴィアンをテーマにした女性作家9名の美術展<菫色の文法>開催時に刊行された限定版の箱入りのアートブック。
ルネ・ヴィヴィアン研究の第一人者、中島淑恵氏によるヴィヴィアン訳詩集(活版印刷・手製本、本邦初訳含む)、
『レスボスの女王──誘惑者ナタリー・バーネイの肖像』(国書刊行会)の翻訳で知られる小早川捷子氏によるエッセイ集、美術展作品集等を、モーブ色のコフレに丁寧に収められ、サテンリボンをかけられています。
【コンテンツ】
*sheet
『菫色宣言』: 宣言詩を活版で印刷したカード状のシート
*cards
『《菫色の文法》展 vol.1 作品集』
展示作家九名の新作を、9cm×15cmのカードに1点ずつ収録、リボン綴じされたリーフ状の作品集。
浅野勝美/佐分利史子/須川まきこ/染め花Horry/鳥居椿/横井まい子/古川沙織/森馨/ミストレス・ノール
*booklet
エッセイ集『菫の花束』
●マルセル・ティネール『ルネ・ヴィヴィアンの三つのイメージ』 訳と解説 中島淑恵
●小早川捷子『ルネ・ヴィヴィアンをめぐる女性たち』
ヴィヴィアンと親交のあったティネールの貴重なエッセイと
ベル・エポックに精通する小早川捷子のエッセイを
クラシックなスタイルのアンカット製本で。
文字組もオリジナルの菫のパラグラフ記号を使用。
11.5cm×18cm 16pages
*booklet
●ルネ・ヴィヴィアン詩選『菫色の遺品』:中島淑恵 訳と解説
本邦初訳を含む四篇をヴィヴィアン研究の第一人者、中島淑恵氏の美麗な翻訳で。
活版印刷、顔料プリント、糸縢り手製本による小さな詩集。
ヴィヴィアンの涙のひとしずく(スワロフスキー)つき。
上田敏『海潮音』の文字組を再現。
20.5cm×15cm 24pages
(原文のリーフレットもはさみこまれています)
*poster
菫リボン会文藝集『Sumire Ribbons I』
●古川沙織『回文 モーヴ色の死に寄せて』
●ミストレス・ノール『菫の夜のオード、断章』
一枚の薄紙の花苑に回文と短歌でヴィヴィアンへのオマージュを綴ったもの。
*leaflet
執筆者&作家プロフィール
*ex-libris
香水瓶の蔵書票
企画・造本・意匠・発行:ミストレス・ノール