『南海』6号は原点回帰して、ビデオの特集。
1987年、ニューヨークのイースト・ヴィレッジに誕生したキムズビデオは、韓国系移民のキム・ヨンマンが自身の営んでいたクリーニング店の跡地に開業したレンタルビデオ店だった。店は珍しい品揃えで評判を呼び、全盛期には8つの店舗を構え、会員は25万人にのぼった。
しかし、レンタルビデオ文化の衰退とともに利用者は減少。2008年には支店の中でもっとも希少で膨大なコレクションを誇るモンド・キムが閉店する。
時を経て、デイヴィッド・レッドモンとアシュレイ・セイビンは、かつてモンド・キムのあった場所で人々に尋ねていた。
「キムズ・ビデオを知ってる?」
キムと店のコレクションは一体どこへ行ったのだろうか。
もうすぐ劇場公開される傑作ドキュメンタリー映画『キムズビデオ』を中心に、VHSやレンタルビデオにまつわる話題満載の一冊。
KIM'S VIDEO
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【寄稿】
柳下毅一郎(映画評論家)
福井健策(弁護士/ニューヨーク州弁護士)
石原香絵(NPO法人映画保存協会代表)
Murderous Ink(映画研究家)
【インタビュー】
アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン(『キムズビデオ』監督)
【フォトギャラリー】
キムズ・ビデオのコレクションから
『キムズビデオ』をコレクションする――本篇登場作品のVHS
召喚された“映画の亡霊”たち
【記事】
『キムズビデオ』に登場する映画作品ガイド
アートと犯罪のニューヨーク映画
巧みに引用される貴重な映像作品群
映画人としてのキム・ヨンマン ほか
A5変型判(203 × 119 mm)並製128PAGES
2025.8.8 ロウバジェット