横浜市戸塚区
首都圏の人なら誰でも耳にする新興住宅地・戸塚。
JR東海道線の車窓から目にする、マイホーム群に覆われた斜面が続くあの辺り。と誰しも記憶にあるけれど、降り立つ機会がないエリア・戸塚。
そんな戸塚を訪れ驚いたのは、本書に先立つ「
グンマコンプレックス」の企画・執筆者で、平野が広がる群馬の神谷彬大だった。
戸塚は、坂道と階段ばかりで、色とりどりの家が段々になっており、眼科に屋根が並び、後ろには擁壁があり...と、どこを見てもスケール感、シークエンス、意外性を感じることができる、と。平地でしか暮らしてこなかった、建築専攻の編集者にとって、ベッドタウンの開発が急務だった時代に、丘陵と格闘しながら家々で覆ってもなお、地形や野生が否応なく出てくる郊外であり、スペクタクルの宝庫だった。
もう一人の著者、岡本章大は、幼少期に慣れ親しんだ戸塚を25年ぶりに訪れ、退屈なはずの郊外に潜む「野生」を撮影し、改めて戸塚を発見してゆきます。
<目次>
序(神谷彬大)
noteにて公開中>>>
第1面 ダンジョンへ
第2面 サバービア遺跡
第3面 取り繕われた世界の隙間
郊外育ちの乾いた目線(岡本章大)
補遺 『スペクタクルの社会』と『野生の思考』(神谷彬大)
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企画・文章:神谷彬大 / 撮影・文章・デザイン:岡本章大
A4変形判78pages
途中3箇所の扉ページが破れているのは、作者が意図的に一枚一枚手作業で破ったものです。