文革が終わって5年後の1981年の学生時代に、ひょんな事から中国の農村を訪ね、その後、民族音楽の研究者となり、1988年から、「改革開放」へ舵をきった中国の各地でフィールドワークを行ってきた著者。
未知の土地に飛び込み、一筋縄ではゆかない強烈な人々と出会いと別れを繰り返す中で、心に残る14の物語を綴ったエッセイです。
皮肉屋でもどこか憎めない魅力をもつ楽亭県の作家、優雅な立ち振る舞いで回りを魅了し、うまくその人達を利用する劇団座長や、黄土高原に住むおだやかな盲目の音楽家…「親切な人」とか「ずる賢い人」といった一言では表現できない人間臭い人々。それぞれの物語で描かれている風土と生命力あふれる登場人物に心うごかされ、人の心のありようについて考えさせられます。
構想から17年をかけて書き溜められたエッセイで、その間に中国は大きく変わり、会うたびに境遇が激変している人物もいれば、終始変わらぬ人もいる壮大な人間ドラマが展開します。
本文や帯の裏に、佐々木優さんによるイラストが多数収録され、表紙には餃子の皮状の紙がふわっとかけられています。
目次
はじめに
序 まだはじまっていないころのお話
�� 河北省編
第一章 老師的恋
第二章 北京の女人
第三章 ゆりかごの村
第四章 占いか、はたまた芸人か
�� 黄土高原編
第五章 雨乞いの夏
第六章 村の女たち、男たち
第七章 黄河治水局のおじさん
第八章 尿盆(ニァオペン)
第九章 人生も戯のごとく
�掘“岾以�
第一〇章 頑固じいさんと影絵芝居
第一一章 かくも長き一八年
第一二章 パリの台湾人
第一三章 想家(シァンジァー)
第一四章 人を信じよ!
あとがき
参考文献
◎井口淳子 (イグチジュンコ)
専門は音楽学、民族音楽学。大阪音楽大学音楽学部教授。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得、文学博士。主な研究テーマは中国の音楽・芸能、近代アジアの洋楽受容。
主な著書に『亡命者たちの上海楽壇 ― 租界の音楽とバレエ』2019年、音楽之友社。『中国北方農村の口承文化―語り物の書・テキスト・パフォーマンス』1999年、風響社など。
B5変型判 (148mm x 195mm)224pages
発行:灯光舎
2021.10.31
著者がフィールドワークで録音した音源から、本書に関係深いものを選んでこちらで公開しています
>>>>