いつもは、商業カメラマンとして肖像の撮影を中心に活動している小田駿一氏の初写真集。
コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言下、都内に出てみると、昼間は
都市機能や生活維持するために、それでも人々が働いているのに対して、
夜の飲屋街には文字通り人っ子一人いないのを目にして、衝撃を受けます。
多くの人たちが、罰則があるわけでもないのに、生活の糧を犠牲にしてまで
(当時はどう対処していいのかわからない)ウィルスから
命を守り、困難を乗り越えようとしている灯りの消えた街を記録することを思い立ちます。
ふだんなら人々で賑わっている週末に、夜の街に出向き、誰もいない路地
街灯だけがともる通りを撮影。
ただ閑散としたのとは違う、緊急事態宣言下のゴーストタウン的な凄みと
ときとして未来への希望にも見えるネオンや照明とが折り重なっています。
記録的・報道的な写真でもあること、未知のウィルスに人々が立ち向かった緊急事態宣言下の
希望と警鐘の入り混じる現実を長く残すために、本という形を選び
大事に手元において眺めてもらえるように、プロダクトとしても完成度の高いものを目指したそう。
表紙の銀箔および背のスケルトン加工に施した銀箔は手作業で剥がしたり
削ぐことで、一冊ずつ加工が異なります。
A4判128pages 500部
著者・小田駿一氏自身が、この本への熱い想いnoteにまとめています。
>>>>