フランス・マルセイユ出身/在住の写真家Makiが
2001年から2015年にかけて、日本に来るたびに
各地を歩いて撮りためた写真から96点を収録。
フィルムで撮影し、粗いタッチのモノクロで現像された作品は
歩きまわった路地や雑踏、展望台や屋上からの景色の間に
パートナーや出会った人々が登場する私的な記録である。
と同時に、高層ビルのガラスの映り込んだ下界の景色の一枚は
巨大企業と庶民の生活のコントラストを捉えていたり、
かなたの富士山が、群生する雑草や草木越しに写されたとき
書き割りのような美しい形が虚構のように見えたり…と
マキは、日本の景色や日常、社会の様々なコントラストを
レンズを通して見つめています。
私の写真と編集の仕方は、 私が同調出来ないこの世の中で、自分の居場所を示す方法である。
写真は、撮られた日付や場所に紐づけて分けておらず、
そこに共通するのは寓意的で隠喩的な日本像であり、
その延長としての世界像だ。
それは私の経験や、この国の文化や人々との関係の断片であり、
出会う人々や場所を写真として残そうとする
私の抑えられない衝動と組み合わさって初めて生まれる。
現代社会の悪を認識しながらも、日常の中で光るものを探しているうちに、
それらの出会いは気づかないうちに私の中に浸透していくのである。
― Maki「いづく」より
※スペシャルエディションは函入り、書籍に加えて
作家本人による銀塩プリントシート(8 x 10 inches エディション20)がついています。
280mm x 195 mm 並製 144pages、
英語、日本語
※サイン入り
出版元の
zen foto galleryのページもご参照ください。