ある日、交通事故で車ごと川に落ちたメアリーは一人だけ命拾いするが、同乗していた仲間の死が忘れられず、遠く離れた村でオルガン奏者としてひっそりと生活を始める。事故以来、感情の薄い人間になっていたメアリーに『音楽家を目指すなら感情を持たないと…』と警告する人もいるが、どうする事も出来なかった。そんなある日、朽ち果てた遊園地がきっかけで、不気味な男を見る様になる。この男は幻影か、幽霊なのか、それとも…。しかし、この幻影は日を置く度に増え、次々と不可思議な現象に巻き込まれる。そして、遂に…。
　アメリカではすでにカルト作品として人気が高く、特別な見せ場や奇を衒った演出はないにもかかわらず、監督の力量でグイグイとストーリーに引き込まれる。60年代に制作されたとは思えない恐怖演出は今見ても新鮮。これほどまでに優れたホラー映画なのに当時の日本では受け入れられず、知られていないのが悔やまれる。まさに極上の怪奇映画。
白黒/モノラル/82分/1961年/日本語字幕あり