38号目にしてはじめて、現役作家を特集。
作家生活40年で、単行本8冊、短編集1冊という寡作は
早くから才能を認められ、「読後に深い解釈の余地を残す」作風ゆえ。
「わたしを離さないで」や新作「クララとおひさま」を中心に作品を語ります。
書影や林哲夫のコラージュなど、ビジュアルモ充実しています。

山本善行の連載「善行堂通信 人との出会い、本との出会い」は今号、20回をもって終了となります。


目次ーーー

千野帽子「カズオ・イシグロVS個人主義的自己欺瞞」
桧山許治「‹わたし›そいう意識と記憶の曖昧な旅」
吉田道子「心は嘘をつく」
吉川麻里「四枚の絵ー『浮世の画家』」
安芸宏子「可憐なつりがねそうの笑み」
日和佐忠「揺らめく記憶のなかで」
松田正貴「機械破壊者クララ」
三神恵爾「思い出としての牢獄」
中川僚子「AIに未来は託せるか　カズオ・イシグロ『クララとお日さま」
砂岸あろ「太陽のまっすぐな光」
金澤一志「サンザシの彼岸」
菅野水紀「夜の道」
一之田吉「幻像の時空を旅する」
黒田大河「追憶の中の記憶ー『わたしたちが孤児だったころ』」
島すなみ「上海コレクション」
中村真知子「誰もが孤児だったころ」
金城静穂「イフィグロさんのおとぎ話」
森石昴「『わたしを離さないで』の諦念」
岩田託子「イシグロ・アメリカ・未来」
岩川ありさ「子どもたちと怒りん坊」
佐久間慶子「告げ口」

山本善行「善行堂通信 人との出会い、本との出会い」*最終回

コラージュ　林哲夫
表紙装画 山下陽子
編集後記 金城静穂

22cm×13cm 84pages